平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
当社は、1949年埼玉県川越市に新報国製鉄株式会社としてスタートしました。
この間お客様のニーズに合わせて開発製造する提案型特殊鋼合金メーカーとして日本の物づくりの基盤を支えてまいりました。
2021年10月1日に新報国製鉄株式会社から新報国マテリアル株式会社と社名を変更しました。
今までの歴史を踏まえ新たな飛躍を目指す所存でございます。なお一層のご支援をお願い申し上げます。
当社は熱膨張しない合金―低熱膨張合金(インバー合金)のトップメーカーとして開発、製造に努めてまいりました。当社が開発した低熱膨張鋳鋼、低熱膨張鍛鋼(スーパーインバー、快削性インバー、高剛性ゼロインバー)は、ナノレベルで制御が必要な半導体製造設備およびFPDパネル(液晶/有機EL)製造装置の中核部品や各種ウェハー用精密研磨定盤として採用されています。
また新たに航空機部品に使われるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)用の成形金型材として高温(200°~400°)高耐力インバー合金金型を開発し、既にお客様に納入しております。さらに極低温(マイナス269℃)でも組織変態しない画期的なゼロ膨張合金を開発しJAXA等の宇宙開発事業に貢献しています。
また、創業当初より技術を積み重ねてきた耐熱耐摩耗鋳鋼は日本が世界に誇る石油、天然ガス掘削用シームレスパイプ製造の穿孔用工具として国内のほとんどのシームレスパイプ製造工場に納入しております。
これらに培われた技術により耐熱耐摩耗鋳鋼をバイオマス発電ボイラー用、ごみ焼却炉用部品として提供しておりますが、さらに耐塩素腐食合金EGNISシリーズを開発しそれら部品の長寿命化を実現しております。
上記のような当社の特色である提案型金属材料メーカーとしての基盤は、充実した研究開発部門を持っていることです。超高精度熱膨張測定装置、30㎏真空溶解炉、材料特性評価や金属組織を観察できる走査型電子顕微鏡(SEM)等充実した研究開発設備や評価設備を備えており、自社開発およびお客様との共同開発、外部の研究所や大学とのコラボレーションにより新合金開発および当社既存材質の高機能化へ向け多くの研究員が日々開発に取り組んでおります。
この研究開発部門の基盤の上に、徹底した作りこみ技術に裏打ちされた鋳鋼製造の主力部門である三重工場は、高周波溶解炉 6炉4電源(3トン、2トン、1トン×3基、700㎏)の体制を整え、さらに100㎏の試験溶解炉を有し、合わせ湯で製品単重5トンまで製造出来ます。
長年培ってきた当社独自の精錬技術、蓄積された鋳造方案に加え他社の追随を許さない高度な鋳造シミュレーションによる検証により、さらなる品質向上、納期短縮、コスト削減が可能となりました。また三重工場周辺に集積された機械加工や表面処理の協力会社との強固な連携体制を実現し、完成部品まで提供可能な総合金属材料メーカーとしての地歩を固めました。
埼玉本社は、研究開発部門、営業部門、管理部門と共に素形材部門があります。 素形材部門は研究開発した製品を長年の技術指導の中で作られた国内/海外のネットワークを活用し、各種低熱膨張鍛鋼(インバー鍛鋼)、特殊圧延、伸線材、鋳鉄系材料、鉄鋼用小物ロール、また鉄系以外のサファイア等研磨用スズ定盤、銅定盤など金属材料全般に渉って幅広く対応しております。
また、近年金属3D積層技術の研究開発を進め、既に試作品をお客様に納入し好評を得ております。今後さらに開発を進め、インバー合金はもとより、アルミ等の軽合金、セラミックスと金属の複合材料等の3D技術の確立を図ります。
当社は今後とも、低熱膨張合金を中心に、金属材料全般におけるニッチな分野でお客様の多様なニーズにお応えしてまいります。
2021年10月1日